猫 に 小 判 外 地
ピュア・オーディオの成れの果て 諸行無常の響きあり
プアなオーディオ久しからず 唯,風の前の塵に同じ

'Everything must change, like pure-audio devices do,
poor-audio devices must fade, like the dust in front of a wind
これは,一人のプア・オーディオ・ファンが,いかに哀れっぽく,おのが音響空間を構築していったかを克明に記録した,あまりにも生々しいドキュメントである!
「毎月憑かれたように音楽聴いてるからには,さぞオーディオも立派なんでしょうね」とたまに聞かれますが・・そんなゼニあるわけないぢゃないですか。中学の時に兄から貰ったラジカセで音楽に目覚めて以来,音楽はず〜っとそれでしたともさ。オーディオのことにはまるで疎い小生が自分のコンポを買ったのは,やっと大学に入って一年目が過ぎた頃。清水から飛び降りるほど緊張しぃしぃ,質屋さんに鎮座していたSONYのミニコンポ,リバティ V-715を買ったのが馴れ初め。以来,フルセットで4万5千円のそのコンポを大事に大事に使っていたものです。

あっしに限らんと思いますが,幼少期にバブルの絶頂をリアルタイムで経験した世代ちゅうのは,分野を問わず人一倍オタクになりやすい素地を持った人間が多い気がいたします。あっしの場合も,店頭にずらりと並ぶバブリーな音響機器群を,買えもせずただ指をくわえて眺め,「いいなあ,欲しいなあ」と思いつつ聴き比べをやった原体験があるもんですから,小金持ちたちを満足させるべく趣向を凝らした事物への飢餓感ないし渇望も,人一倍強化されてしまい。今にして思えば,あのころ店頭で最もバランス良く鳴っていたリバティ君をいつかは欲しいと思ったのが上記の購入に至るわけですし,「オーディオは組み合わせ。値段じゃない」ことも,店頭のコンポたちからしっかり教わっていましたねえ。

長年の夢リバティ号を購入し満足していたあっしが,そろそろ怪しくなってきた彼を前に,一念発起したのは世紀も改まってからのこと。思い切って単品を買おうと考えてのことです。以来なけなしの遊興費から,ちびりちびりと買い足すこと1年余。ジャンクや中古を漁り,口コミ情報を収集して学習し,徐々にそれらしいシステムを作り上げて参りました。機器同士の相性も,メーカーごとのキャラクターの違いもまるで知らず,ただ闇雲にあぶく銭を散財してはボロをも掴むその姿は,それを新品でお買いになる裕福にして博識な皆々様からは,きっと猫に小判と映ったでありましょう。しかし本人は独り欣喜雀躍。前半生で抱え込んだ強大なルサンチマンを晴らすかの如く,今日もまた安物と化したバブルの記憶を買いたたくのでございます。

なお,がらくたの履歴が増えてきましたので,あまりにも惨めったらしい過去の負の遺産は全て,通称【像の墓場】へと葬りました。
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2022年 11月 20日 現在の 猫に小判(←9年振り更新)
仕 事 場 卓 上 自宅リビング(廃止)
amplifier
A: Asus Essence-STX II powered by Sansui AU-α607MR
B: Luxman L-570Z's
cd player
A: iTunes
sub:Teac VRDS-50
B: Sony CDP337ESD
speakers
A:
Onkyo D-202AX Limited
B: Diatone DS-1000ZX

amplifier
Asus Essence STX II
powered by Nuprime STA-9
cd player
A: iTunes
speakers
Diatone DS-1000Z
amplifier
Onkyo USB amp MA-500U
cd player
iTunes
speakers

Onkyo D-102EX
Dead Stock

Tannoy Stirling TWW


近況報告(2013年4月補筆)

 皆さま、プア・オーディオの番外地へようこそ。墓守のぷ〜れんでございます。4年振りにここを更新すべく、戻って参りました。お元気でいらっしゃいますか。
 このような懐古趣味の館を開設しているにもかかわらず、申し訳ないことに・・。前回の更新から程なくして、私はPCオーディオの存在を知り、そのあまりの便利さと、音質面での進歩に心奪われ、2010年頃を境にすっかり移行してしまったのでした・・。

 往年の名機は、増幅器として使うばかりになり、まだファイル化していないものを聴くとき以外は、CDプレーヤーも滅多に回らなくなりました(そのくせ、またぞろTeacのプレーヤーを買ったりしてるのですが:苦笑)。

 今日現在、卓上のiTunesのライブラリは220.47GB(CD2956枚分)。移行後から、暇を見つけては、手持ちのCDからm4aファイルにエンコする日々を送ってきた結果、すっかりサイズも肥大化しております。むろん、ファイル化には時間も手間もかかり、エンコできたのは氷山の一角。日々増え続けるCDを前に、完全データ化の道は遠いのですが、人の欲望にはきりがなく、はらぺこあおむし状態で今日もエンコー条例に抵触を続けております。→その後、エンコ採用を続けた結果、2022年11月には11,671枚へと肥大(苦笑)

 もしCDのまま、この枚数をいつでも聴ける状態にしようと思ったとしますと、普通ならとてもひと部屋には置ききれないでしょう。お目当ての一枚を棚から探すのも一苦労です。そのCDたちが、たかだか手帳サイズのHDDにみな入り、ライブラリごと幾らでもコピーでき、自宅にも仕事場にもそのライブラリをのれん分けできる。圧縮技術の進歩で、音質面でもシリアスに聴かない限りはほとんどCDと遜色ない・・とあっては、データを抜いたCDは、もはやただの収集癖の慰みものとして、段ボールの肥やしになるしかございません。

 最後に本ページを更新した2009年9月、まさかその4年後に、こんな事態になっていようとは。時代は変わってしまいました・・。




Sansui AU-α607MR
(2009年12月2日〜現在)



型式 インテグレーテッドアンプ

<パワーアンプ部>
実効出力(10Hz〜20kHz、
両ch同時動作) 105W+105W(6Ω)
90W+90W(8Ω)
全高調波歪率(実効出力時) 0.003%以下(8Ω)
混変調歪率 0.003%以下(8Ω)
ダンピングファクター 150(8Ω)
周波数特性(1W) DC〜300kHz +0 -3dB
入力感度/インピーダンス(1kHz) 1V/5kΩ
SN比(Aネットワーク) 120dB以上
ダイナミックパワー 280W(2Ω)
220W(4Ω)
155W(6Ω)
TIM歪(Sawtooth) 測定限界値以下
スルーレイト 180V/μsec
ライズタイム 0.6μsec

<プリアンプ部>
入力感度/インピーダンス(1kHz) Phono MM:2.5mV/47kΩ
Phono MC:300μV/100Ω
CD、Tuner、Line、Tape/DAT1、2:150mV/20kΩ
Phono最大許容入力 MM:210mV(THD 0.01%)
MC:21mV(THD 0.1%)
周波数特性(1W) Phono MM:20Hz〜20kHz ±0.2dB
CD、Tuner、Line、Tape/DAT1、2:DC〜200kHz +0 -3dB
SN比(Aネットワーク) Phono MM:88dB以上
Phono MC:70dB以上
CD、Tuner、Line、Tape/DAT1、2:110dB以上
トーンコントロール Bass最大変化量:±6dB(50Hz)
Treble最大変化量:±6dB(15kHz)
サブソニックフィルター 16Hz(-3dB)、6dB/oct
ラウドネス +6dB(50Hz)、+4dB(10kHz)
<その他>
定格消費電力 250W
外形寸法 幅430×高さ162×奥行452mm
重量 18.0kg
別売 リアルサイドウッド SW-AU4(1セット、\14,000)

私にとり,初めて買ったお高級なアンプは,2001年暮れ,まだ出来立てのせいか好いものを並べていた近所のハードオフで一目惚れしたサンスイの607DRでした。それまで使っていたミニコンポとは比較にならないほどくっきり鮮明な音と肉厚の低域,ずっしりと重く,それでいてソリッドな高域は,それまで使っていたミニコンポとは全く別次元。ラジカセもロクに買えない2万円そこそこの金額で,こんな素晴らしい音が聴けるとは!・・以来,純朴な貧乏書生は,すっかりバブル期の遺産相続もとい下取りに心を奪われてしまいました。

いらい,10万直下クラスのアンプ遍歴を随分しましたが,結局サンスイのDRを凌ぐアンプには出逢えず終い(ビクターが少し良い勝負だった程度)。あれこれ目移りしつつも,結局メイン機はずっとサンスイ君で楽しんできました。しかし,2005年頃からはガリが出始め,やがて接点不良も見え隠れするなど,DRは徐々に更年期障害へ。ヴォリュームが密閉型で接点洗浄剤も吹き込めず,ツマミの上げ下げによる簡易ガリ取りも焼け石に水。そろそろ新調しようかと思ったところで見つけたのが,シリーズ最高傑作と名高い607MRでした。高いとは思ったものの,試聴可で程度が大変良いのと,傷もなく綺麗に使われていた様子が窺えて購入を決意した次第です。

DRに比べると,MRは音の広がりと抜けが飛躍的に良くなり,例えていうならソース顔から醤油顔に脱皮。厚みと立体感はやや後退し,良くも悪くもデジタル時代に対応したというのか,すっきりと細面の音作りになった気がします。しかし,それでもひとつひとつの楽器音にくっきりとした輪郭と厚みがあり,上から下まで味付けなく,歪みの少ない再生力はサンスイならでは。個人的にはDRの暖かくふくよかな広がりの方が好みですけれど,なるほどシリーズ最高傑作の看板も伊達ではないなと感心しました。当分はこれで困ることはないでしょう。しばらくオーディオ漁りは止めにしますかねえ。
(\99,000 → \42,000)

追記:2016年くらいに一度オーバーオールしました。今も好調です。価格は3万円くらい?


Nuprime STA-9
(2020年8月某日〜現在)


入力端子: RCA アンバランス x1 系統
XLR バランス x1 系統
スピーカー出力端子: バインディングポスト(Y ラグ, バナナプラグ対応)
出力: 120W x 2 / 290W x 1 (4Ω)
入力インピーダンス: 47kΩ
ゲイン: 22
S/N 比: < -80dB(1W, 10W, 100W)
THD+N 0.02% (Stereo) / 0.01% (Mono)
再生周波数帯域: 10Hz ? 50kHz
AC フューズ: 3A スローブロー/250VAC
動作電圧: スイッチ切替え (115VAC/230VAC)
サイズ: H55 × W235 × D276 mm *端子、脚含む
重量 : 4.8kg
仕上げ: 高品位アルミニウム製 ヘアライン&アルマイト仕上げ
カラー: シルバー/ブラック
付属品: 電源ケーブル



コロナ禍で世界が席巻される中、私の仕事場にもテレワークの波が押し寄せました。自宅での作業が多くなり、そのための環境整備が必要になりまして。折しも、長く理想の組み合わせとして愉しんできた仕事部屋のMusical Fidelityアンプが高熱にうなされて失神ならぬ保護回路作動の症状を呈するようになりました。自腹で修理に出すか、テレワークにかこつけて冒険するか・・。

「相性ダメだったら、改めてA2修理すりゃ良くね?」
― というわけで懲りない男は、高熱のA2にはお休みしてもらい浮気を決意。とはいえ安い出費ではありませんので、石橋を叩いて渡るかの如く、オーディオ雑誌でベストバイだとネット上で噂のやつを、テレワーク予算の全額をぶち込んで購入しました。メーカー希望価格は18万でしたが、当時は後継機種STA-9Xへの移行を控え、新品でも半値くらいだったようです。
(\187,000→\98,000)

 この間、アンプにプリとパワー段があることくらいは学習した猫に小判男。
「味付けなんか要らんからくっきり原音再生じゃい!」というわけでパワーアンプをPCに直結したわけですが、よく考えるとそのケーブルはPCのサウンドカード(AsusのEssence STX II=22,000円くらい)に繋がっているので、これプリアンプと同じじゃね?と後で気づきました。
 どきどき期待しつつ音出し。A2の水も滴るような色気はないですが、その代わりピアノの打鍵の芯まで聴こえる、ものすごい原音再生っぷりに感動。テレワーク相手の声まで原音再生です(嘘)。これはこれでアリですねえ・・。というわけで当分はこれで満足していることと思います。
 
唯一の欠点は曲の途中からiTunesなどで再生するときに「ブツッ」ってでかい音が鳴ることですか。CDじゃないし、音楽ファイルの途中から始まる仕様上しょうがないのかな、こういうのは。



Diatone DS-1000Z
(2006年11月12日〜現在)
方式 3ウェイ・3スピーカー・密閉方式・防磁タイプ
(EIAJ)・ブックシェルフ型
使用ユニット 低音用:27cmコーン型
中音用:6cmドーム型
高音用:2.3cmドーム型
定格インピーダンス 6Ω
再生周波数帯域 35Hz〜40000Hz
出力音圧レベル 90dB/W/m
クロスオーバー周波数 600Hz、5000Hz
最大入力 180W(EIAJ)
外形寸法 幅360×高さ690×奥行300mm(ネット付341mm)
重量 31kg

乙女が見ればただの箱。あっしが見れば乙女よりも艶めかしいその嬌態・・じゃなかった筐体。ついつい見るたび欲しくなる麗しい外観と,期待に違わぬ素直な音がダイヤトーンです。

木枯らしの吹く2006年の晩秋。近所の中古屋を冷やかし程度に覗くと,こんな田舎にダイヤさんじゃあ〜りませんか!しかも異様に安い(相場10万)。「しかし,もう下宿には正妻がおるぞ・・」。既に寝床も窮屈なあっしの部屋に,このうえ愛人を囲うスペースなんてあるわきゃございません。泣く泣く店を後にして一週間。どうにも忘れられず行ってみると,何と彼女はまだ待っていてくれたじゃあ〜りませんか。今度はよくよく状態確認。「錆びもないし,エッジもキレイだぞ」。こうなると,いよいよ欲しくなり・・あれこれ考えたすえに出た結論はズバリ「仕事場に置く」(笑)。無茶苦茶です。公私混同です。でも後輩に頼んだら「全然いいっすよ?」で運ぶの協力してくれたもーん(共犯)。運送費をケチるためその夜,彼とふたり,職場の台車を押して片道延々30分。がらがら〜がらがら〜と往復しましたとさ。棺桶を運ぶ葬儀屋みたいに。途中,巡回中の警官に職質されるおまけつきで。
(\27,3000 → \63,000)

非常にバランスの良い音で感服する一方,良く言われるように密閉型特有の低域の量感不足も否めない本機。逆にいえばサンスイのように,低域の量感を補填するアンプと好相性。低域不足に目を瞑るなら,A級アンプと合わせても,くっきり澄み切った高域が楽しめるスピーカーだと思う。ちなみに郷里の兄から2016年頃、1000ZXも貰ってしまった。このため、仕事場に置いていた800ZXを入れ替えで売却。ついに自宅も仕事場も1000系の生粋ダイヤ党員になってしまった。



Musical Fidelity A2 integrated amplifier
(2006年11月15日〜現在 ※2019年ごろから休眠中)


●寸法: 440(W)×95(H)×340(D)mm
●重量: 11キロ
●消費電力: 180W
●出力: 25W×25W(Aクラス8Ω:14dBW),片チャンネル 50W (4Ω)
●全高調波歪率: 0.007%以下 (1kHz)
●周波数特性: 10Hz - 20,000Hz+1dB
●入力: Phono×1,Line×5
●Phono入力感度: MM 3.5mV 47 kΩ
●Line入力感度: 300mV 47 kΩ
●S/N比: MM 70dB(Phono),103dB(Line)

だだっぴろい部屋にダイヤをふたつ。「う〜んステキ♪」・・しかし,いくら眺めてもスピーカーだけじゃ音は鳴りません。「む,空しい・・」。ダイヤに彼氏をあてがわなければ・・と思ったが最後。3日と待てず,都心へアンプを物色しに出かけることに。当初はサンスイの3万くらいのを適当にあてがおうくらいにしか思っていなかったんですが,なんとPSE法制定の余波で,馴染みの中古家電屋が軒並み倒産!完全に当てが外れ,夕闇迫る都心を徘徊するうち,ふと立ち寄ったお店で出逢ったのがこのアンプ。

定価約16万5千円が6万円の英国ものと書いてある。最初の印象。「こんなブランド知らん」。しかし,「サンスイ的な生っぽい音のが良いんですが・・」それを聞くや目の色を変える店員さん。「絶対えーきゅーアンプですって!」。自信満々,大熱弁。「永久?A級?A球?」・・既にそこでつまずいているあっしと,気づかぬ彼。噛み合わぬふたりの間で,珍妙に対話すること約10分。結局良くわからん侭,ほだされて買う(=主体性無し)。

仕事場に置いてみると,ごまプリンみたいにつるっとしててカワイイ。が,音量と入力切替だけの素っ気なさ過ぎる外観は,何となくヒンソで涙を誘う。出力たったの25W。「大丈夫かお前?」・・うちの便所の電球40W。
(\16,5900 → \59,800 *送料込

※ちなみに後日,紆余曲折を経てこのカップルから音が出たら,失禁するほど良かったです。音の像に全くぶれがなく,水がしたたるようにキラキラしてて,芳醇な艶のある響き。サンスイ完敗。人生でいまだかつて聴いたことないほど生々しい音です。ぶれのないこの音像,真空管と良く似た方式(A級動作方式というそうな)だから可能になったんだとか。すげぇすげぇと連呼するしかありません。仕事場で寝泊まりしたくなりました,いやホント。
その後2008年にラックスマンのアンプを入手したので,本機は低域過多のサンスイ君を補佐すべく,下宿へ出向させました。値段は半分以下ですけど,今まで聴いたアンプの中では,今もってこれが一番いい音ですし,どんなスピーカーからも魅力的な音を引き出す能力の高いアンプだと思います。私的名機です。

※2019年頃から保護回路が作動するようになり、後任のSTA-9で満足してしまったため現在は休眠中です。


Sony CDP 337 ESD
(2007年 6月 1日〜現在)

型名 CDP-337ESD
周波数特性 2Hz〜20kHz ±0.3dB
全高調波ひずみ率 0.0025%以下(EIAJ)
信号対雑音比(S/N) 110dB以上(EIAJ)
ダイナミックレンジ 98dB以上(EIAJ)(カタログでは97dB以上)(*1)
チャンネルセパレーション 100dB以上(1kHz)(EIAJ)
出力端子 下の表を参照
大きさ 430×125×375mm(幅/高さ/奥行)
重量 約11.5kg(カタログでは12.8kg)(*1)
消費電力 22W
リモコン RM-D650

2007年の2月から3ヶ月ほどの間,最も音質に煩い仕事場のメイン機Musical Fidelityアンプには,マランツのCD-6000をくっつけて鳴らしておりました。CD-5400に比べると音に艶が若干無い気がしたものの,くっきりとした音像と,妙に骨太な高域は,A級動作アンプともまずまず合い,しばらくはこれで行こうか・・なんて思っていたわけですが・・。

つい習性で中古屋に立ち寄ると,「おおっ,出てる出てる」またぞろ次の獲物が出ているじゃありませんか。「1まんえんは高ぇよな」と思いはしたものの,少し以前に下宿用として買った姉妹品と思しき型番のソニン号(333ESD)が素晴らしく美音だったのと,状態が新品みたいに綺麗だったので,大事に使われていたのだろうと踏んで購入した次第です。

マランツのように押し出しの強い高音ではなく,繊細で再現力の高い,丁寧な高音。印象は,姉妹品と全く同じ。時代のせいなのか,少し高域の音に癖があり,薄いというかペナっとしてる気が(=コンバータの特性なんでしょうか)。慣れるまでちょっとだけ違和感がありますけど,それ以外は素晴らしく澄んだ音で参りました。このプレーヤーの素晴らしいところは,分解能というのですか,メインの音ではない音が細かく聞こえることです。爪が鍵盤に当たる音や,鍵盤が奧のハンマーを叩く音,弦の擦れる音,管奏者の衣擦れや息継ぎ,足の踏み換え音などが怖ろしくリアルに聞こえ,生々しいのにびびりました。

またトレイの開閉が異常に速く,CDの読み込みも異常に高速。今のプレーヤーでもこんだけ速い読み込みのプレーヤーは滅多にないと思います。よほどいい部品を積んでるんでしょう。動作も完璧。リモコンも完備。しばらくはこれで大丈夫そうです。ただ,この機種はトレイ部の動作不良が多いんだそうで,今度はグリスの補填を覚えないとなあ・・と戦々恐々。

本機導入で前任のマランツ号はお役ご免。姉が所有するオーディオ・セット(SP=ビクターSX511,AMP=オンキョーA-817XD)のトライアングルを完成させるメイン機として,都落ちすることになりました。


その後,この337をもうひとつゲット。下宿にそれまで置いてたお兄ちゃん(CDP-333ESD)を乗り換え,337ESDは二門体制となった。
333からスペック的には変わってないはずなのに,なぜか音が違う。こっちのほうが高温の音がくっきりとし,音に厚みとパンチがあり,奥行き感豊かで見通しが良い。どこか部品が変わったんですかねえ?素人にゃよくわからんが,僅か一年の間に訪れたであろう術革新に感謝です(333は1986年,337は1987年製)。(\89,800 → \10,500/下宿用\6,300)



Onkyo D-202 AX LTD
(2007年 10月 23日〜現在)

方式 2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式・
ブックシェルフ型・防磁設計(EIAJ)
使用ユニット 低域用:16cmコーン型
高域用:2.5cmドーム型
再生周波数帯域 30Hz〜35000Hz
最大入力 80W
インピーダンス 6Ω
出力音圧レベル 89dB/W/m
クロスオーバー周波数 3kHz
キャビネット内容積 14.5L
外形寸法 幅205×高さ333×奥行352mm(サランネット含む)
重量 7.9kg
付属 スピーカーケーブル モンスターケーブルXPHP
(2.5m×2)
別売:スピーカースタンド AS-200A(2台1組、\22,000)
外形寸法 205W×333H×352Dmm
(サランネット、ターミナル突起部を含む)
重量 7.9kg


職場の二門体制崩壊後,死蔵していたオンキョーの798アンプとびく太の6万プレイヤー。それを見た同僚が,「私の部屋,だだっ広い部屋に何も物がないもんで煮詰まってしょうがないんですよ・・」なんて言うものだから・・。ああそうですか,じゃあ彼らがきっとお役に立ちますよ・・と要らぬお節介再燃。彼のお部屋にぜぇ〜んぶ,その日のうちに移しちゃいました。「せっかくの機会だから,いい音というものの触りだけでも・・」そう考えるだに,下宿の廃用スピカどもをくっつけて済ますことはできませんで。で,気に入っていた卓上のD-072aを,同僚用として一緒に出向させることに。結果,私の卓上用スピーカーは無くなってしまいました。一日と待てず,新任の卓上機を求め,また漁りに出かけたのは申すまでもございません。

3,000円の分際で,英国紳士A2と組んだ途端,価格の数倍は堅いと思われるパフォーマンスを展開し,大いにこちとらの目を点にした前任のD-072a君。「高いゼニをはたいて,結果D-072aより音が後退したら・・」。各々のキャラがやたら濃く,相性の良し悪しも極端に大きく,購入にギャンブル要素が強い小型スピーカー。新調にあたって慎重になってしまうのは避けられません。で,少し高かったとはいえ,同じメーカーで音傾向も似ているだろうと予想できるのに加え,元の値段に4倍,中古実勢価格で10倍もの開きがある本機なら,多少相性が万全でなくとも,D-072a以下ってことはないだろう・・と踏んで博打を打った次第です。

エンクロージャーが合板から,喩えは悪いが仏壇のように綺麗な仕上げのまともな木製になり,見た目にも誘惑された本機,さすが4倍は伊達ではありませんでした。高域が醸し出す透明かつクリアな音場の広がりと,粒子の細かさ,ぶれのない音の輪郭は文句なしに数段上。小型の癖に音のバランスも良く,多分,これまで買ったどの小型よりも良くまとまった音です。ドンシャリのほうがむしろ合う英国紳士と組むと,やや低域が硬く引っ込んだ印象。暗めで音像は硬めの音作り。キラキラきびきび派手に艶を光らせるよりは,繊細かつ控えめな表情と,堅実に描出される細部の明晰さで地味に一隅を照らすタイプ。恐らくはもっと低域の味付けが利いた国内産10万弱のアンプ辺りで能力を最大化できるようにチューニングしてるんでしょう。ということで,英国紳士とは必ずしも最上コンビではないと思いますが,曖昧さのないすっきりとした音像と,やや暗いながら快晴の空の如く澄み渡った高域はさすが。当分は本機で充分満足していると思います。
(\98,000 → \31,500)

その後,下宿に移動してサンスイのアンプ(607DR)と合わせたら,目を見張るような好相性。本機の美点である美しい広域が活かされ,サンスイが小型特有の低域の量感不足を補填。まさに理想のカップルである。当分,修理してでもこの組み合わせは変えないと思う。



Luxman L-570Z'S
(2008年 3月23日〜現在)





型式 インテグレーテッド・アンプ
実効出力 50W+50W(8Ω、A級動作、両ch同時動作)
全高調波歪率 0.01%以下(8Ω、定格出力、20Hz〜20kHz)
混変調歪率 0.01%以下(8Ω、60Hz:7kHz=4:1、Direct)
入力感度/インピーダンス Phono MM:2.5mV/50kΩ
Phono MC:100μV/100Ω
CD、Tuner、Line1、2、DAT/Tape1、Tape2、3、Processor:150mV/50kΩ
Balance/Line:150mV/50kΩ

SN比(IHF-A補正
入力ショート) Phono MM:86dB以上
Phono MC:74dB以上
CD、Tuner、Line1、2、DAT/Tape1、Tape2、3:108dB以上
周波数特性 Phono MM/MC:20Hz〜20kHz ±0.3dB以内
CD、Tuner、Line、Tape:10Hz〜100kHz -1dB以内
トーンコンペンセーター 最大変化量:±4.5dB
電源 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 270W(電気用品取締法の規定による)
ACアウトレット Switched:2系統
Unswitched:1系統
外形寸法 幅438×高さ176×奥行467mm
重量 30kg


私の所属する組織が,ひょんなところから引っ越すことになりまして。その新居ビルへ内覧にいきました。前の住人は,とある外資系の日本支部だったようで,バブル真っ盛りのころにそのビルを借りて活動していましたが,少し前に撤退したのです。

がらんとした部屋をひとつずつチェックし,中にある机や椅子などの什器類を点検。管理会社の人に,「これは残しておいて使います」,「これは入居までに捨ててください」と指示を出していきます。請われて立ち会った私でしたが,特に私の存在が必要な様子もなく,退屈のあまり一人,ふらりと室内を徘徊し,ふと視聴覚室のような場所に入ったところで,場違いに鎮座していたのがこれでした。

「オオッ!」。無知とはいえ,すでに数年オーディオにぞっこんなあっしが,このアンプを見たことないわきゃございません。研修などで使うであろうお部屋の陳列物ですから,使用感も綺麗で,ヘビー・デューティだった様子もなし。会議室としか思えない殺風景なお部屋にこんな場違いなアンプが,それもタンノイのスターリングと一緒に置いてある光景を想像してください。「な,なんちゅう場違い感じゃ・・」。私はおそるおそる,管理会社のおじさんに尋ねます。「これ,廃棄しちゃうんですか?」。彼は顔色一つ変えることなく,「ええ」。

私がその瞬間,仕事を忘れて興奮しつつ,そのアンプとスピーカー(元値しめて100まんえん)を,もんちしたのは申すまでもございません。かつてこのビルを借りていた外資系企業の備品担当者さん!バブル末期だったとはいえ,遠くで見えないのを良いことにこんなものを彼岸の会計掛に吹っかけて買わせるなんて。どう見ても貴方の趣味でしょうが!とニヤニヤ笑いが止まりませんでした。

「処分にもお金が掛かりますからねえ」と,嬉しそうな管理会社のおじさん。今でも40万は出さなければ買えないもんを,ゴミとしてただでもらって,私もホクホク。いや,実に幸運な一日でした。

後日,ダイヤのDS-1000Zに繋いで音出し。高域に独自の艶々した水気と色気があるフィデリティ・アンプのような個性は,このアンプにはまるでありませんけれど,細部の再現性はさすが。とても真面目なアンプだなあと思います。一台で消費電力270w。こんなもん下宿に置いたら幾ら電気代取られるかわからんので,仕事場へ置くことにしました。夜中に,誰もいなくなったのを見計らって,大音量で愉しんでおります。
(\525,000 → \0)



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データの一部はオーディオ回顧録さん,オーディオの足跡さん
から引用させて貰いました。ありがとうございます。


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